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[ゆたりストに学ぼう] 記事数:52

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世界最大の大会「World Brewers Cup 2016」
で日本人初!
世界一に輝いたバリスタ

コーヒーファクトリー 守谷駅店 店長
[茨城県守谷市]

Yutarist
バリスタ 粕谷 哲さん

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 約40ヵ国から各国のチャンピオンが集まってくる、コーヒーの世界最高峰の大会「World Brewers Cup 2016」。見事優勝し、世界一のバリスタに輝いた「コーヒーファクトリー」粕谷哲さんは、決勝に進んだ時点で日本人初、アジアからの優勝も初めてという快挙を成し遂げました。

 大学院でファイナンスを修め、IT業界の第一線で活躍していた粕谷さん。4年前、10万人に1人という原因不明の難病「1型糖尿病」を患い、糖分のないコーヒーを飲み始めました。きっかけは、入院中自分で淹れたコーヒーが「ものすごく不味かった」こと。持ち前の負けん気に火がつき、コーヒーを徹底的に研究。28歳でコーヒー業界に飛び込みました。
 大会に出場された理由をうかがうと、「有名になりたかった」と。寡黙なイメージと相反する返答に戸惑うと、「皆さん、否定的な反応をみせるのですが。影響力を持ちたかったんですよ、正しい情報を広く伝えるために」と、その言葉の真意を教えてくれました。

 コーヒー業界には自分の知識を疑わない人も多く、情報が常にアップデートされる世界ではないとのこと。しかし粕谷さんは、「情報は、常にアップデートされなくてはならない」と確信しています。「主観と客観は別にして考えるべき。誰かと一緒に研究することで、他人の理解できる表現が生まれます。ですから、主観と客観を合わせる訓練をすべきなのです」
 「バリスタの仕事は、最後に消費者へおいしいコーヒーを届けること。それは、生産者と消費者の架け橋になることで、生産者への感謝の形でもあり、コーヒーの正しい価値を伝えることでもあります」。世界大会へ臨むにあたり、歴代世界チャンピオンのコーヒーを飲もうとエチオピアまで。その経験から、海外と比べ日本のバリスタは、スペシャリストとしての認知度が低いことも懸念しています。「自分が世界大会で活躍しメディアに出ることで、日本ではまだ低く見られがちなバリスタの地位を上げたいという思いもあります。小さな子供がバリスタになりたい!と言ってくれるような職業になれれば」

 「日本一、世界一になり、『こんなところにこんな凄いお店があると思わなかった』とよく人に言われますが、僕は守谷やつくば、茨城を『こんなところ』だとは思いません。第一線で活躍されている方が多く、特に食文化が優れている場所です。都内に比べてちょうど良い人口密度も過ごしやすい」。守谷で仕事をする者として、特産品のひとつになればとはじめた「守谷ブレンド」。コーヒーのネガティブイメージ「苦い」「すっぱい」とは対極にあり、さわやかで飲みやすいと好評です。守谷市のふるさと納税返礼品でも、コーヒーファクトリーのドリップパックを選ぶことができるそうです。
 今後は、「コーヒーファクトリー」をもっと有名に、充実したお店にしていきたいと抱負を語ってくださった粕谷さん。知識の共有、スタッフの育成、広報活動に力を注ぎたいと意欲的です。(依田 直子)

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