ゆたり倶楽部

[家具] 記事数：9

◎家具

Wandervogel GENERAL STORE
[群馬県前橋市]

広瀬川の眺めに思いを馳せて
丁寧な暮らしに似合う、とっておきを探しに

　前橋の中心部を流れる広瀬川と国道１７号が交差する厩橋（うまやばし）のそばにある「Wandervogel GENERAL STORE」。川沿いには遊歩道が整備されていて、前橋市ゆかりの詩人たちの歌碑が並びます。季節は7月。お店の二階から見えるのは、ヒスイ色の広瀬川の水流。風にゆれる柳も涼やかでした。

　築年数を重ねた住宅を改装して今年（2012年）5月にオープンした店内は、さびたマンホールや古い梁など所々に懐かしさを感じます。まずはお話を伺うため、二階へ。白くペイントされた空間に丁寧に作られた家具が並びます。店長の関さんによると、『「渡り鳥」を意味する店名のように、人から人へと受け継がれるような、長く付き合えるモノをセレクトしている』そう。新しいものも、すでに５０年も経っているテーブルも、家具職人たちの思い入れのせいなのか、それとも受け継いできた歴史のためなのでしょうか。決して急がず、次のオーナーをじっと待っているようにも感じます。

「Wandervogel」には家具の他にも、ストーリー性があるものが揃います。小さな引き出しがたくさんついているチェストには、一つ一つにカラフルなバッグの写真が。これはかつて西ヨーロッパを走っていたトラックの幌を再利用して作られたもので、FREITAGというブランドが生み出す、正真正銘世界で一つだけのバッグ。他にも、使い込むほどに味の増すステーショナリー類はPOSTALCO製。背表紙の活字や日焼けした紙の風合いから、時の流れを感じる書棚の古本。どれもじっくりと選んで、大切に使って欲しいという願いを込めて。目指しているのは、「人とモノ、人と人との出会いの場」。更なる場所を目指して、今、飛び立ったばかりです。（e.suwa）