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◎ギャラリー・アート

ギャラリー碧
[栃木県足利市]

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北関東一の画廊の矜持を受け継ぐ
現代アートの開かれたギャラリー

 銭湯「花乃湯」など趣ある建物が残るかつての花街、北仲通りと、足利織姫神社への階段の登り口の角に、2017年開廊40周年を迎える「ギャラリー碧」はあります。取材時は草間彌生・下川勝・木下晋の作品による企画展「ゆきゆきて 心を重ねる」が開催されていました。

 今から遡ること半世紀ほど前、足利市には北関東一の画廊と呼ばれた「ブルーベック」がありました。しかしオーナーの相場英五郎さんが開廊からわずか1年後、病により他界してしまいます。「ギャラリー碧」オーナーの山川敏明さんは、当時東京で絵画を学ぶかたわら絵や植物をレンタルする仕事をしていましたが、茶道を習いに足利まで通っていた縁もあり、相場さん亡き後2年ほど「ブルーベック」を任されることに。その後1976年に同市伊勢町で自ら「ギャラリー碧」を立ち上げ(2年後に通5丁目に移転)、2007年、巴町に現在の店舗を構えました。主に現代アートを扱っていますが、日本の古い焼き物や掛け軸などもあり、常設展示では新旧の作品が違和感なく調和しています。
 「足利という場所柄、古美術はやらざるを得なかったんですよ。ただ古いものは贋作も多いので、開廊当初はお客様に教えていただきながら必死で勉強しました」と山川さん。前店舗では質の高い作品を東京などで仕入れ、常設で展示販売していましたが、現在は作品のクオリティーは維持しつつ、年に数回自主企画する展示会にも力を入れています。「企画展に関しては、短期ではなく2週間はやるようにしています。今回のようにメジャーな作家も扱いますが、地元で本気で覚悟を持ってやっている作家も取り上げ、紹介しています。足利は歴史ある町で文化的な土壌もありますが、文化や伝統は守るだけではダメなんですよ。創り上げていくものなんです。今の作品に触れることで昔を知る、ということもあるでしょう」

 官と民の交流をテーマに、山川さんの提案で2013年からスタートした「アートリンクinあしかが」の特別展が、足利商工会議所内のギャラリーで2017年も開催されており(2017年5月27日~6月18日)このような活動は今後も楽しみです。(小森谷 郁)

住所/栃木県足利市巴町2547
TEL/0284-21-3258
営業時間/10:00~19:00
定休日/水曜

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