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[木を植える音楽] 記事数:12

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最終話 「Epilogue~Ending Theme」小川倫生さん

 「『1枚のCDをつくりたいんだ』目を輝かせて倉本さんがそう話すたびに『いいですね、楽しそう』って、かるく話を受け流していたんです。考えは素晴らしいけど、あまりに現実的じゃないなって。そもそも制作資金はないし、CDをつくる大変さを倉本さんは分かっていない。ましてや11組のアーティストをまとめてアルバムをつくるなんて…。申し訳ないけど正直、不可能だろうと思っていましたよ。でも、経費や苦労など顧みない倉本さんの思いを聞いているうちに、段々と心が揺れだして、結局プロデューサーを引き受けてしまいました。このプロジェクトを成功させることは、相当難しいと分かっていながらもね」
 1枚のCDによって、10本のクロマツの苗木が震災で大きな被害のあった福島県いわき市の海岸に植えられる―。そんな無謀ともいえるプロジェクトがスタートして早4年。「木を植える音楽」のプロデューサー・小川倫生さんは、過去の記憶を解きほどくように、また時には懐かしむように、ゆっくりと当時の心のうちを語ってくれました。

第11話 「Green tree and blue bird song」マツシマヒデキさん

 緑の森と青い鳥、そして海。潮の香りと繰り返される柔らかな波の音につつまれ、心に灯る一つの言葉。それは私たちの「これから」に向けての「あたらしい」言葉。
 「大丈夫、うまくいくさ」あの人がそう言うのなら信じられるし、ついていける。たとえ光を見失ったとしても、進むべき道を迷ったとしても私たちは平気でいられるだろう。
 マツシマヒデキさんがそう言うなら、大丈夫。
 きっとすべてがうまくいくはずだから。

第10話 「想風」 いろのみさん

 この風はどこからやってきて、この先どこへ向かっていくのか。何を見て、何を知り、何を想ってきたのだろうか。潮のにおい、揺らめく木々、宙を舞う綿毛…ひとつの「もの」として形をもたない風の存在を、私たち人間は身体でしか感じとれません。だからこそ目を閉じ、耳を澄ませ、心で感じてもらいたい。私たちのそばで、風が何を想うのかを。
 「いろのみ」が奏でる「想風」。それは風の想いを音楽に託した一曲。私たちと同じようにあの日のこと、これからへの想いを風たちと共に心で感じられる音楽です。

第9話 「チェスナッツツリー」Honey Cookiesさん

 料理をしている時、運転している時、お風呂に入っている時…そんな日常の風景で、自然と口ずさんでしまう「チェスナッツツリー」。「Honey Cookies」のベーシスト兼ボーカル、さとみさんの幼い頃の記憶がモチーフになったというこの曲は、倉本さんから楽曲提供の誘いを受けてからすぐにイメージが湧き、すんなりと誕生してしまったそうです。それは「木を植える音楽」というプロジェクトがきっかけになって生まれた新たな出逢いが、さとみさんの過去の記憶と未来への希望を結び付けたからこそのもの。いくつもの不思議な縁が「時」と「人」をつなぎ、「Honey Cookies」らしいご機嫌な一曲となりました。

第8話 「木を植えるうた」オツベル(元みぇれみぇれ)さん

 彼は「歌」を「おはなし」と、自らを「図書館」という。図書館にあるたくさんの物語を次々と奏で、歌い、そして静かに語り継ぐ彼こそが、空想音楽家・オツベル(元みぇれみぇれ)さん。浮世離れしたその独創的な世界観から生み出された「木を植えるうた」は、彼の空想がつくりだした希望溢れる、とあるひとつの物語。私たちがこれから顔をあげ、前に前にすすむための「活きる力の物語」でした。

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