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冬は苦手ですが、セーターやコートや帽子などのおしゃれが楽しめる季節でもあります。特にコートは、素材や形でその日のファッションの雰囲気を変えてくれるアイテムです。そんなコートの中でもお気に入りである「comia」のバイエルンコートをご紹介します。
以前、ミハマの靴の時にもご紹介したのですが、横浜元町はおしゃれな老舗が沢山立ち並びます。元町を散歩していたときに、お店に飾ってあったコートが目に入りました。ふんわりと広がる裾は、大人でもかわいらしく着こなせそう…と即試着をしました。
comiaにはコートをはじめ、シャツやスカート、セーターなど、シンプルの中に上品さを感じるものが沢山あります。生地もしっかりして、縫製も丁寧なのが手に取ると良くわかります。
明治時代から港湾都市となり、日本の海の玄関として役割を果たしている横浜。外国人が増える中で、海外の日用品などを扱う店が増え、洋式のライフスタイルが日本人の中に浸透してくると、日本人向けの洋品店が軒をつらねました。こうして「元町ブランド」が確立していきました。
そのような街の移ろいの中「comia」は1941年、昭和16年に創業しました。オーダー服の仕立てのお店として開業しましたが、時代の変化に合わせるようにセレクト品、そしてオリジナルの商品を作り続けてきました。
バイエルンコートはドイツの伝統的なコートに由来しています。毎シーズン生地を変えて登場しますが、赤やブラックウォッチなど、ウールコットンを含め、トラットな雰囲気の生地が多く、ふんわりとした上品な襟は、少し折り方を変えるだけでニュアンスの違ったコートになります。寒いときには頭にかぶる帽子代わりにもなる優れものです。寒くて雪が沢山降るドイツならではの機能的な部分を感じることができます。comiaの歴史から漂うヨーロッパのクラシックさがよりおしゃれだなと実感します。
現代はさまざまな洋服があり「プチプラコーデ(手頃な価格で洋服やアクセサリーを購入し、コーディネートすること)」などという言葉ができ、おしゃれもさまざまなアイテムで楽しむことができるようになりました。そんなおしゃれの中に「職人の手わざ」を感じてみるのも楽しいものです。洋服は、生地、生地の断ち方、縫製によって着心地も雰囲気も全く変わり、それもデザインの一つなのではないでしょうか。
ちょっと上等、上品な洋服を身につけると、背筋がピンと伸びる感じがします。なんとなく、この服が似合う人になりたいという、心地よい緊張感を感じることもできるでしょう。
冬の寒さを楽しむ為にも、おしゃれなコートを着て背筋を伸ばして出かけてみませんか?(小山 京子)
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