歴史があり、文人にも愛される街、鎌倉。私にとっても大好きな街であり、ゆっくり散歩をし、美味しいものを食べるのにも最高のロケーションです。
春には花を愛で、夏には海の眩しさを感じ、秋には落ちる葉の美しさに目を奪われ、冬には静かな街の風情を感じられる場所、それが私にとっての鎌倉です。
鎌倉には美味しいものがたくさんありますが、私がおすすめするのは、井上蒲鉾店の「梅花はんぺん」です。ふんわりとした食感と、新鮮な魚を食べているような旨みがなんともたまりません。
「はんぺん」というと、「おでん」「煮物」「フライ」などのイメージが強いですが、こちらのものは、お刺身のようにお醤油をつけてあっさりといただけます。特にわさび醤油で食べると、贅沢さを味わえます。初めて口にした時のあの感動…。忘れがたいおいしさです。
井上蒲鉾店の創業は昭和6年。大磯の「井上蒲鉾店」から分家した初代が、鎌倉由比ガ浜に店を構え、かまぼこを作り続けています。
創業当時、かまぼこはまだ贅沢品であり、一般家庭では正月など慶事に口にするくらいのものでしたが、当時からその土地に住む人々に愛され続けている老舗です。由比ガ浜の本店は間口が小さく、とても素敵な建物で、老舗の雰囲気が漂う佇まいも素敵です。
美味しさはもちろんのこと、品のよいサイズ感や手ごろさが地元の人や、観光客のお土産として愛される理由なんだろうと思います。
大事な方へのご挨拶や、季節の贈り物、手土産にもおすすめです。
華やかな街の大通りから、一本入ると水産加工品の小さな製造所が見受けられます。鎌倉は観光地として有名ですが、水産加工品や地場の野菜などその地に根付いた食文化がある街です。
歴史ある街だからこそ、素材や、手作りの良さを感じ生活の中に取り入れ、文化として残し、受け継いでいく事を大切にしているのでしょう。
散歩をしながら、小さな食文化を体感する旅に出たい秋です。
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