ゆたり倶楽部

[自然派レストラン] 記事数：48

◎自然派レストラン

リストランテ・ルーチェ
[茨城県守谷市]

イタリア仕込みの技術と心で生み出す“茨城の味”
自然の味を活かす守谷のイタリアンレストラン

　「こちらはヤガラという魚で、こちらはアカハタという魚です。今日の魚料理にはどちらをお持ち致しましょうか」

　テーブルの傍らにはお皿からはみ出すほど大きな魚を持ったオーナーシェフの高橋氏とその迫力に驚くお客様の姿。これは守谷市にある「リストランテ・ルーチェ」では日常的な光景です。築地でその日に水揚げされた新鮮な魚を自身で選び、それを魚料理に仕上げてもらう。それを待つ間のひとときは、料理を舌で味わう前に用意された楽しみのひとつとなることでしょう。

　そして料理に使われる野菜のほとんどはレストランが所有する農園で収穫されたもの。採れたての野菜を手に取った瞬間のインスピレーションをもとに調理するそうです。これは高橋氏が過ごしたイタリアでの修業経験が関係していました。
　「修業時代もレシピから料理を習ったということはほとんどありませんでした。それは、食材はそれぞれ収穫した時期やその地域、天候などで味が異なるからなんです。ですから毎日入ってくる食材を手に取り、確認してからそれぞれに合った調理、味付けをしています。自分で野菜を育てるのも無農薬・有機栽培で育てたおいしい野菜を安心して食べて頂きたいという思いからですね」
　さらに調理をする上で出た魚の皮や野菜くずなどは農園で肥料に生まれ変わらせ、おいしい野菜を育てる上での土壌作りに役立てられます。リストランテ・ルーチェには、まさにエコと呼ぶべきサイクルが息づいています。そして最後に、高橋氏はこんな話をしてくれました。
　「これもイタリアでの修業時代のことですが『無いものを欲しがってはいけない』と教わったことがありました。その地域・季節に採れる旬のものを工夫して調理する、それこそが本当においしい料理になるということだと思います。ですからウチは今後も地域の食材を使った“茨城の味”を提供していきたいですね」（y.h.）