◎本

ふやふや堂
[群馬県桐生市]

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デザイン事務所が週に一度だけ開ける
旧織物工場の本屋さん

　かつて織物で栄えた街、群馬県桐生市。街なかには、その歴史と栄華を偲ぶ建造物が数多く立ち並びます。その建造物のひとつである旧早政織物工場に、2014年12月から週に1度・月曜日のみ、書店が開くようになりました。その名も、「ふやふや堂・早政の土間店」。オーナーは、同工場内に地図のデザイン事務所「マップデザイン研究所」を構える、齋藤直己さん（桐生市出身）です。

　「ふやふや堂」という名前は、以前事務所を構えていた場所が京都の「麩屋町通り」沿いにあり、ビルの名前が「第二ふや町ビル」だったことから。風情ある店内には、齋藤さん自らセレクトした個性的な本がずらりと並びます。「もともと書店を開きたい、という夢はあったものの、軽い気持ちで始めたら予想外の大反響で驚きました」と、齋藤さん。
　軽い気持ちでスタートしたものの、やっていくとだんだん書店であることの使命も感じているそうで。「地方には、書店が少なすぎる。みんな、ネットで購入しちゃうし。装丁、行間、匂い、厚さ、単なるインスピレーション…そういう感覚をフル活用して本を選んで、最高の1冊になったり、時には失敗したり。そういう〝選択″することの成功や失敗を経験せずにおとなになっていく今の子どもたちは、大丈夫なのかな？感性や、本能は、育っていくのかな？」

　決して〝オシャレ″を狙っているわけではない、気さくな本屋の主人。こういう本屋さんが、これからの〝まちづくり″には大きなキーになるのではないでしょうか。（Mirai Iwazaki）

住所／群馬県桐生市本町1-4-13 早政織物工場内
電話／0277-32-3407（マップデザイン研究所）
営業時間／金曜日のみ営業、12:00～18:00

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