「ゆたり」ゆとりと情緒に満ちた暮らしのエスプリ

くじらcafe

　常磐線、常陸太田駅から小高い丘の方へと上っていくと、昔懐かしい街並の商店街が姿を現す。平屋の家に文字の薄れた看板、蔵のようなずっしりとした建物、古い作りの飲食店…。そんな中、入口側の窓にカラフルな絵の描かれたお店を見つけた。開いていた扉から中をのぞくと、ちょうどランチタイムの終わり頃で、さほど込んではいなかった。しかし学校帰りであろう高校生がカウンター越しに、スタッフと気さくにテストのことなんかを話していた。

　オーナーの金子さんは先輩から“地元で何かやってくれ”と声をかけられて、数年前に太田へ戻ってきたそう。そしてまずはじめに、水戸でやっていた『カネコ食堂』をこの商店街で復活させた。カフェがオープンしたのはそれから少し経って、オーナーよりさらに若い後輩達が集まって来てくれたから。くじらcafeを任されている、店長の石川さんや周りのスタッフも、みんなすぐ近くの太田一高の卒業生。元々ハンバーガー屋だったというこの建物は、カフェがオープンするまで10年以上空き家になっていた。それを全てスタッフの手作りでリノベーションしていった。店内はポップでキッチュな雰囲気で統一され、壁一面の黒板にチョークで書かれたメニューや、手描きのイラストが可愛らしい。持っていた家具を使ってお金をかけずに作られた店内は、ごちゃっとしているのに何とも居心地がいい。初めて行った店なのに“馴染みの店”の様にくつろげる。敷居の高さや堅苦しさをまったく感じないから、高校生でも入りやすいのだろう。奥のソファー席にどっかりと座って、めずらしくブラックでコーヒーを飲む。「自分達が高校生の頃は学校帰りに立ち寄って、夢や将来について語れるような場所がまだあったんです。だから僕は今の高校生にも、そういうスペースを作りたかったんです。」と店長の石川さん。「そうだね、もっと空いている店舗を使って、若いのが色々やってくれたら面白いよね。それで地元も元気になったら最高。」と金子さんも話してくれた。地元の人達が気軽に集まれる場所。年齢も性別も関係なく誰でも立ち寄れる店。そんなオープンな風が通り抜ける気持ちのいいカフェがここにある。

*menu*
オリジナルアレンジドリンク　¥480〜
焼きたてワッフル6種類　¥500
ワッフルセット（ドリンク+ワッフル）￥800
ランチ（週替わり5種類）¥800〜
カフェ飯・パスタ・ピザ　¥800〜
アルコール＆ノンアルコールカクテル　¥400〜


くじらcafe（くじらカフェ）
茨城県常陸太田市東二町2249-1
080-3396-4513
営業時間　11:30-22:00 L.O　金・土〜24:00 L.O
定休日　日曜日
客席数　25席
駐車場　有

＊ブログランキングの応援お願いします＊

Trackback(0) Comments(2) by 吉川永里子｜2008-07-24 21:09