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[ほんのきもちです] 記事数:479

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タモリさんの弔辞

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朝の慌ただしい時間、ふと目の端に、テレビに映る喪服姿のタモリさがん入った。
今は亡き恩人、赤塚不二夫氏の葬儀において、弔辞を読んでいる横顔だった。
弔辞の途中の言葉の切れはしを耳が捕まえた途端、他のことはどうでもよくなり、食い入るように映像を見、全身を耳にして聞きいった。

なんて素晴らしい弔辞なんだ。

無駄な修飾をいっさい省いた簡潔なセンテンス、しかしそのどの一文もが、深い意味をたたえている。タモリさんと赤塚さんの有名な出逢いのエピソードを知らぬ者にも、どれほどの縁であったかを思い知らせる弔辞であった。
出逢いから今日に至るまでの、赤塚さんとタモリさんの一切合切が、ほんの数分の弔辞に包括されている。
たとえ赤塚さんのマンガを読んだことのない人でも、その人となりの芯の部分を感じさせる秀逸な弔辞である。

また声音が良い。
ただ単に良い声だというのではなく、いつもは鍵をかけている心の奥の扉のなかから発せられているかのようだ。だから、普段の生活では聞いたことのないヒトの声だから、耳をかすめた途端、一瞬にして意識をとらえられたのだと思う。

気が付けばタモリさんが手にしている紙は白紙であった。
しびれた。
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Trackback(0) Comments(4) by Yamepi|2008-08-08 10:10

▽コメント▽
Commented by マドンナ 08/08 12:29

私も

大好きだった
天才バカボン

弔辞を聞きながら
泣きました

Commented by Yamepi 08/09 08:52

☆マドンナさん 
はじめまして
鼻の穴がひとつのおまわりさんとかうなぎいぬとか
赤塚マンガは独創的でシュールですよね
ワタシは特別タモリファンてわけではないのですが
今回、ほんとに頭のいい方だな〜と思いました
内容、語り口、演出、すべてがパーフェクトでした
普段くだらないことばかりしててもキメるときはキメることができる
そんなオトナってカッコいい〜!と思っちゃいます

Commented by つき 08/09 22:06

Yamepiさん、こんにちは。

私は弔辞を読んでいるところは見られなかったのですが、ネットで全文読みました。
白紙だったのですか・・・。言葉にならないくらい、泣けてきますね。

高校生の夏、私は文章の書き方を国語科の先生にみっちり叩き込まれました。
「自分の言葉で書きなさい」という優しいアドバイスから、
「文章が飛躍しすぎている、こんなじゃダメだ」
という手厳しいコメントまでいただきました。
いまだに自分の文章に自信がありません。

これだけブログ全盛の世の中で、こんなアドバイスをしてくださった先生方に感謝しています。
これからもずっと、このアドバイスは私の課題です。

あの弔辞はタモリさんにしか紡ぎ出すことができなかった言葉たちなのですよね。
この言葉に主役の赤塚さんだけでなく、私たちが感動したのはやはり、こころがこもっているからだと思います。
ブロガーとして、言葉を発信している今、タモリさんの言葉に学ぶところはとても大きかったです。
赤塚さんのご冥福をお祈りします。

Commented by Yamepi 08/09 23:56

☆つきさん、こんばんは。
タモリさんにしか紡げない言葉、ほんとそのとおりですね。
ずっとずっといつでも心の中にあった想いだから、原稿なんかなくてもああして淀みなく口からこぼれてくるのでしょう。
YouTubeで全文語る姿が見られます。文章だけでも心動かされるものを感じたならば、ぜひタモリさんの語り口もご覧になってみてください。心の声そのものです。
破天荒な人生を生きた剛腹な男と、その男の一言がきっかけで日本でトップクラスの有名人にまで登り詰めた男。ドラマを感じます。


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