夏休みもラストスパート!
あとひと息でございます。がんばりましょう、小学生ママ。
夏休みにぴったり?読書感想文オススメの本の紹介です。
「君たちはどう生きるか」なんて、タイトルがおカタイ感じなのは、この本が出版されたのが1937年、つまり第二次世界大戦前という時代背景もあるのだと思います。
「修身」なんて授業があったくらいですからね。
しかし、戦中はこうした少年向けの本さえも出版できなくなりました。
そして戦後、平和な世の中でエアコンのきいた部屋で、思う存分読書できる、幸せな環境にあるにもかかわらず、我が家の子供達はポケモンだ、DSだと活字離れどころか、活字知らずです。
いつかは読んで欲しい。
そんな気持ちをこめて、私は自分の子供時代に読んで感銘を受けた本は本棚の片隅に残しています。
この本もその中の一冊です。
とはいいつつも、この本の良さを実感したのは、大人になってからだと思います。
全てのことに、本質的な価値を見出したい。
見た目だけでなく、自分が価値を決めていくこと。
正しさ、誠実さ。
迷いや不安があると、この本を読みます。
通販カタログみたいに、パッと開いたところを読んで、勇気をもらいます。
コペル君はとても賢い少年です。
成長していく中で不思議に感じたことを、叔父さん(母親の弟。コペル君の父親は亡くなっています)、との手紙のやりとりを軸に描かれています。
一章一章に、「あなたなら、どう考える?」とたずねられているようです。
格差社会のこと、いじめのこと。
本当の「親切」とは?
正義とは?
時代は変わっても、私達をとりまく状況というのは実はそれほど変わっていないのだということに気づかされます。
「なにげに」という言葉を大人も子供も、さらりと使ってしまう昨今。
コペル君が「粉ミルクの缶は、どういう人たちの手を渡りながらここに来たのだろう」と不思議に感じること。
自分の身を守るために、友達を裏切ったことへの後悔。
誰もが、大なり小なり経験することだけれど、「なにげに」流してしまうことを、あえてしっかり向き合いたいと思います。
小学生に限らず、アラフォーの私も。
生きていくことは、「なにげ」ではあるけれど、哲学や経済学、社会学そのものなのだと気づきます。
とても古い本なのに、読むたびに新しい発見があります。
図書館などにあると思うので、是非一読をオススメします。
「君たちはどう生きるか」
吉野 源三郎・著 岩波文庫
by つき|2009-08-20 19:07
「ゆたり」は時の広告社の登録商標です。
(登録第5290824号)