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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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ついに、手放す時が!

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部屋の整理も着々と・・・と、いいたいところだが、
ダンボールが積まれてゆくと
かえって見た目は汚らしく
雑然としてくる。

今の家にたどりつくまで、3件の家をともに渡り歩いた
舞台セットの木箱を、
このたび遂に、手放すことになった。
残念ながら里子ではなく、完全に葬るかたちだ。

「マイラストセレモニー」という、
自作の中で一番すきな芝居で、
仏壇セットを作ったのだが
直方体の木箱6つと、
台形の小箱4つを組み合わせて作った。
そのうち、台形は、あまりにおさまりが悪いので
早々に破棄したのだが
直方体のものは、あるときはパソコンデスクに、
あるときは押入れの中のし切りに、
また、現在は本棚になっており
90センチという邪魔な大きさにもかかわらず、かなり働いてくれた。

自分でペンキをぬったのだが
なぜか、日々、周りのものに色が遷っており
ゆかや壁を汚してしまう
どうしようもない箱。
でも、かれこれもう5年は一緒にいる。

でも、移住に合わせて、さよならすることになった。
粗大ゴミ収集に電話をかける。
「もうすこし小さければ300円なんですが
その大きさだと、600円ですね。」

「捨てる」が潔い行為と賞賛される今日この頃
バカな話だと思われるかもしれないが
愛着のあるもの、
しかも、作品の中で登場した、舞台セットの一部である。
安く捨てるのは心がいたむ。
300円で葬るのは申し訳ない。
葬式で、遺族が莫大な費用を払ってしまうのは、
「さいごくらい、これだけのことをしてやりたい。」
という気持ちの表れかもしれないが
まさに、そんな気分。
300円じゃ、浮かばれませんよ。
600円?だしますだします、600円で見送りましょう!
(でも、600えん止まりだけど)

月末の朝、粗大ゴミになる。

つくづく、舞台つくりは環境破壊だ。
毎回ゴミになる材木の量たるや
バラシの日は心が痛むよ。
先日、ゆたりブロガーの、にわけんさんと対面したとき
仕事についてうかがいつつ、
「それって、生態系を壊していることにならないんですか?」と
容赦ない質問を浴びせたワタクシこそ
エコとは反対方向に、ひた走る
環境破壊アーティスト。

ここまで科学技術が発達したんだから
だれか、伐採した木を、もとの木に戻す方法を
思いつかないものか・・・・・。
むりかねえ・・・・。

Trackback(0) Comments(2) by 鯨エマ|2010-10-15 17:05

▽コメント▽
Commented by にわけん 10/17 20:45

どーも、環境破壊庭師です(笑)

環境についての話をすると、正直、何が正解なのかわかりません。

だいたい、木材として使われている木だって人間が植林したものが多いだろうし、食する野菜や動物も人間のテクノロジーによって、安定供給されるもはや商品。

確かに、地球上に人間が出現したことによって、生態系は狂ったといえるかもしれません。

かといって今さら、人間は理性を捨て去って、裸になり、すべての文明を葬り、生態系としての動物には戻ることは不可能に近い。

だから、この状況はまさになるべくしてなった、地球の歴史なのではないか!

そう思うんです。

だったら、そんな中で一体自分は何が出来るのか?

少なくとも、そんな事を自分自身に問うておく必要はあるんじゃないかと思います。

捨てるものは買わない。物を大切にする。使いきって供養する気持ちを持つ。
そういうことを、認識して、贅沢しないことが大事じゃないかと思います。

反面、そうは言っても、修行みたいな毎日じゃ疲れちゃうだろうから、たまには「思いっきり楽しみたいじゃん!」となると、やはり逆行もありうるわけです。

庭作りも同じです。

僕の仕事は、たしかに環境を壊しています。

しかし、その壊してしまっているという後ろめたさと引き換えに、材料を大事に使い、材料の才能を生かす。そして、人の心を満たす庭を作る。それに尽きるのではないかと思います。

emaさんの容赦ないあの真っ直ぐな質問は、僕自身、庭師としての矛盾と葛藤を覚える核心をついた内容だと思います。
だから、ついつい熱くなってしまうのです。

環境どうしましょ?

Commented by ema 10/18 16:15

にわけん様

ありがとうございます。
知り合いのデザイナーと、この世に蔓延するチラシの量について、話したことがあります。芝居のチラシも、ポスティングされるちらしも、ほとんどが無駄になっている。チラシを作ることで生活し、それを宣伝手段としている私たちは、どうしましょうって言う話です。そのときに、彼の応えは、「とっておきたくなるようなチラシを作る」でした。

ネットが出来たとき、これで紙ごみが少しは減るだろうと思ったけど、結局ダメだったわけです。情報の高速化、多量化によって、ますます人間は物を大切にしなくなりました。これは、もうとめることはできません。ただ、「どうせ地球は滅びるのだから・・・」と、諦めたくない気持ちはありますね。
こういうことは、各自で考えていても、どうにもならないかもしれませんが、「心がけ」が、人間と自然の交流を生むかもしれませんね。

ただ、困ったのは、自覚のない人が非常に多いということです。昨日も、あまりに大量の物を、「買って捨てて」を繰り返している人に、「まだ使えるものを捨てるのって、もったいないですよねえ・・・」と、さりげなく言ったら「そうそう!あたしもそう思うのよ!」って、力強くうなづかれました。トホホ。


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