栃木県芳賀郡にある市貝町は、「日本一影の薄い町」として全国テレビの番組で紹介されたこともある、とても静かな町です。でも、農薬や化学肥料を使っていない小麦や蕎麦、厳選された材料に限定し、30キロから製粉、製麺してくれるという、とても希少な製麺所を持つ町でもあるのです。
その製麺所の名は“黒澤製麺所”。代表の黒澤真治さんは埼玉県で団体職員として勤務していましたが、栃木に住む知人を通じて、「廃業する製麺所が機械の後継者を探している」と知り、機械を譲り受けて開業するために栃木へ移住すると即答されたそうです。奥さんも退職して栃木へ行くこと、そして製麺所を生業とすることに賛成。決意から1年も経たずに栃木県へ移住し、開業を果たしていました。“脱サラして独立”です、一世一代の大勝負という気負いだったのではないかと思ったのですが、人生設計に会社員で終わる予定がなかったようで、黒沢さんに迷いはなく、自然な選択をされただけのようでした。
一番人気は『くろうどん』の太麺。“くろ”とつくのは“黒澤”という苗字からというより、麺が少し黒っぽいから。小麦が精白されていないことの証となる色です。口に含むと小麦の香りが広がり、「小麦粉にも味がある」と実感します。
品質への信頼、味に定評があり、『くろうどん』をメニューに使う飲食店もあります。洋食だとパスタの代わりに使われているところもあり、独特な風味で他の食材を引き立てています。
素材にこだわる姿勢、少量からでも引き受けてくれるという評判は瞬く間に全国へ。黒澤製麺所は日本の食文化の中で、こだわりのある生産者を支える縁の下の力持ちなのです。
小麦粉、蕎麦粉での販売も可能ですので、手打ちも楽しめます。通信販売も可能。
栃木県の良質な小麦、蕎麦の味をご堪能ください。(T.H)
住所/栃木県芳賀郡市貝町田野辺412
TEL&FAX/0285-68-3236
(作業中は機械の音で電話に出られないこともあります。ご了承ください)
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