うちの長男は、軽い学習障害がある。
発達支援教育への法整備も整っているが、渦中にいる私としてはもどかしさを感じる。
現場と法律が、かみ合っていないのだ。
学校も発達支援の児童に対してのフォローが粗い。
発達支援学級の先生に丸投げ、という感じで、親として本当に申し訳なくなる。
普通学級の先生一人一人はとても熱心なのに、どうしてそう感じてしまうのだろう・・・。
いろいろ思うところあって、数ヶ月前から言語リハビリに通っている。
これは本当にラッキーで、言語聴覚士の先生の人数からいっても何ヶ月か待たなければならないことを覚悟していたのに、運よくリハビリを卒業していった子がいたらしいのだ。
10歳で言語リハビリ、というのは少々遅いかな?と思ったが、本人も楽しんで通っている。
言語聴覚士の先生と息子。最初は全くの知らない人同士。
親や学校の先生は言わなくても先回りしてしまうが、そうはいかない。
1時間、じっくり向き合ってくれる。
先生はとにかく待つ。次の言葉がでるまで、ニコニコ笑顔で待ち続ける。
リハビリが終わってから、外で待っている私も部屋に入り、今日のリハビリの内容を本人に説明させる。
つらいが、私も待って待って彼の説明を聞く。
先生はちょっとした宿題を出す。
今回は「自分のお財布からお金を出し、大学ノートを一冊買ってくる」というもの。
そして来週はレシートとノートを持っていく。
リハビリの後、お店に直行した。
先生と同じ色のノートを見つけた。
134円。
財布の中には100円玉が3枚と10円玉が6枚。
さあ、どうする。
つらい。
待つのがつらい。
「ほら、これとこれでしょ!」
といつもなら言ってしまう。が、宿題だから我慢。
比較的すいてきたので、レジへ。
一冊のノートを買うのに、本当に困っている様子。
レジの店員さん、ごめんなさい。
心の中で詫びながら、ずっと我慢する。
やがて、後ろにお客さんがならんだ。
息子のひじをつついて、
「後ろにお客さんがいるんだから」
とせかす。
息子はおどおどしながら、10円ずつ出していく。
「あと2枚足りないよ」と店員さんに言われる。
「2枚」というのがよく分からなかったのか、
10円を差し出す。
「あと10円だよ」と店員さん。
140円支払い、やっとレジを通過した。
ヒヤヒヤした。。。
息子が迷惑をかけている!何とかしなくちゃ!
そんな思いでいた。
けれど、今回はモタモタした息子を何となく叱る気にはなれなかった。
確かに迷惑をかけたことを親として申し訳なく思うけれど、
スムーズにレジを通過できることが、当たり前のことなのか?
逆に言えば、スムーズにレジを通過できないと、買い物もしちゃいけないのか?
どうして。
どうして、美味しいものを食べる大行列は待てるのに、
ネズミ園のアトラクションの列は待てるのに、
数分のレジが待てないのだろう。
何かが足りない。
その何か、って何???
もしかしたら、私の子供が学習障害でなかったら、足りないことにすら気づかなかったかもしれない。
とにかくスピードばかりを優先にしていて、ココロが足りてない。
うまくいえないけれど、ココロが足りてない、というだけじゃ済まされない何かが足りていないような気がする。
それを私に教えるために、息子は生まれてきたのではないか。
そんな気持ちになった一日だった。
Trackback(0) Comments(5) by つき|2008-08-30 19:07
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