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[雨は遠いそらの上] 記事数:109

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2峠1林道

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雲巌寺から地方道13号に戻り、今度は大子を西進して旧馬頭で90度方向転換して北上し黒羽へと抜けていく国道461号に入る。坂を上っていくと右に曲がり下っていくカーブがあり、そこが唐松峠だ。ネットにはさまざまな道・峠サイトがあるけれど、その真似事をして峠を訪れてみよう、ということを前回に続きやっているわけです。

古い石垣。峠から西の御亭山へ至る登山道が杉林の中へ続いている(御亭山山頂までは車でも行けるみたい)。

←峠を越えて振り返ったところ


交通量は結構多い。黒羽から馬頭の東や大子方面へ抜ける主要道路は、このR461以外にはさらに10キロ以上も南下しないと通っていないので、重要な交通を担っているといえる。重要な唐松峠である(まあ特に何もないけど)。
→黒羽側から峠を望む

 
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唐松峠をUターンして国道461号を南下、県道343号との分岐のあたりから南西に伸びる細い道路を上っていくと鶴居峠。
地図で見て、車で行けるのかコレ?と思ったが舗装はしっかりしている。車とすれ違いはしなかったけれど、民家のあいだを抜けており生活道路としてしっかり機能しているようだ(地方道27号に接続)。
峠の近くには小さな滝が流れていて、面白い。

  
ぼくの手もとの地図には表記してないのだけど、鶴居峠から林道が延びていて、鶴居峠御前岩線の起点になっていた。
途中で工事中のため通行できない部分があるようだが、さて適当なとこまで行ってみることにする(ここへ来て峠では飽き足らず、林道マニアの真似事をしようかというイキオイですよ)。
←「町道大山田立野線」とある。どうやら鶴居御前岩線と接続してR461に至る道のようだ
一度も車とすれ違わなかったが、一部で小規模の崖崩れがあるものの路面の状態は総じて良好(良すぎる、と言ってもいいかもしれない)だ。開通は平成9年のあたりのようだから新しい林道なのだ。
民有林林道ということで、民有林のためにこれほど立派な林道を開く必要があるのか、という向きもあるようだが、民有林の所有者がわからないという事態まで起こっている昨今、荒れ放題の山林を何とかしようという対策の代表的なものなのだろう。スギとヒノキという日本全国津々浦々で見られる「山林」は矢鱈滅法に森林を伐採して儲けた経済大国・日本の贖罪だが、さらに山を切り崩して道を延ばすよりも自然に任せるがままにするのが真の贖罪なのかもしれないが、日本の一時代を築き上げた林業とてこのまま廃れるに任せているわけにはいかないだろう。その恩恵によっていまこうして呑気に鼻をほじっていられる自分は偉そうにものを言える立場にはない…
のだが、おそらく我々は金とか量とか数値に換算する癖があまりにも定着してしまったため普段は気づかないが、寒々と広がる杉林ののっぺりと暗い緑を眺めているとふいに、とんでもなくかけがえの無いものを我々は儲かるとばかりに(「金のなる木」どころではなく、木は金そのものだった)切り取って、消し去ってしまったのだなあと思う。我々はあまりに多くのものを失ったのにも関わらず、というか失い続けているためにより多くのものを求め、喰らい貪っては喪失を畏れ、忘れ去ろうとまた喰らい貪りを繰返している。
 

そんな荒んだ心とは裏腹に、滑らかな路面はグニャグニャと曲がりくねりながらも快適なドライブを約束してくれている。前半は特に展望が良く、いくつかのカーブを曲がった先では遠く雪山の姿があらわれた。

方角的には日光男体山のほうかな…。雪山を見ると何故だか広々としたさびしい気持ちになるのだ。

 
工事中で通行できないという看板があったために、途中の分岐(林道滝ヶ沢線)で下りてきてしまった(地方道27号にぶつかる)が、先には東光寺薬師堂がありさらに八溝希望ヶ丘牧場へと続いているようだ。後で帰って調べてみるとどうやらこちらへは抜けられそうなので、あらためて訪れてみたい。

  
  
峠と林道、という気にはなっていたけど平素はあまり気に留めなかった存在をあらためて意識してみると、日本の道路と人、山と自然について考えさせられるものがあった。ま、秋も終ってしまってネタ切れだっていうのが今回導入した大きな理由なんですけど…。また(他サイトの二番煎じ的な)峠や林道ネタが続くかもしれません。
↑滝ヶ沢林道を通って里に戻ってきた。日本ならではのほっとする風景だ  
  
  
  
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↑今日のBGMはPerfumeの新曲(これは外せない)とEivind Opsvikの「OVERSEAS」(2002)。リーダーのEivind Opsvik(b)をはじめTony Malaby(ts)やJacob Sacks(p)、Craig Taborn(H-C3 org)など現在一線級で活躍している若手ミュージシャン達のNY発、意欲作。全曲Opsvikのオリジナルで、NYのモダニズムとOpsvikの故郷ノルウェーの牧歌的な感性が微妙にブレンドされ非常に良い。とくに最後の「Overseas」は牧歌的で北欧チックなんだけどどこかファラオ・サンダース的な要素も含まれており(トニー・マラビーがサックス吹いてるし)、だんだんと高らかに響き合うメロディが胸と涙腺を震わせる(すいません、ここでフロントきって吹いてるのはアルトのLoren Stillmanさんでした。すいません…ってどうでもいいって?)。
http://www.eivindopsvik.com/
↑リーダーのHP。試聴あり。「Redford」のライブがかっこいい。オススメ
 

» Tags:栃木, , 林道,

Trackback(0) Comments(2) by 雨|2008-12-06 11:11

▽コメント▽
Commented by ゆたりあん 12/06 15:10

雨さんこんにちは。
すこし前に福島の羽州街道を通って七ケ宿から南陽の方へ行って来ました。
羽州街道は奥州街道の桑折宿(福島)で分岐し、山形、秋田を通り青森に至る道です。
最初の難所である小坂峠(お産の苦しみに例えて産坂とも呼ばれていた)を越える旧道が残っています。
峠からの見晴らしは格別でした。
街道に歴史や足跡を感じながら、昔の人の道のりを想像していました。
街道が人やモノや文化を往来させた歴史を考えさせられました。
雨さんにも旧街道をおすすめします。

Commented by 雨 12/07 00:31

 
ゆたりあんさん、ありがとうございます。
恥ずかしながらぼく、街道というものがどういうものか具体的によくわからなかったのですが、
このあいだ日光へ行く際に日光街道を通り、巨大な杉並木がずっと続いているのに圧倒され感動したのを思い出しました。
その杉並木の何と立派なことか!数百年の昔から変わらずそびえ立っていることが時間の流れを感じさせて、
確かに車を走らせながら、この道を歩いて通っていたであろう昔の人びとのことを想像した記憶がいま甦りました。
ああ、街道ってそういうものなのか…といま得心した次第です。
 
羽州街道を地図で調べてみましたが、なるほど小坂峠に至る前にヘアピンカーブの連続ですね。
ぜひゆっくりと時間をとって行ってみたいと思います。青森まで行けるかどうかはわからないけど…(あと、最近軽自動車のパワー不足をひしひしと感じはじめています)。良いところを教えてくださって、ありがとうございます。
  

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