久々に小説を読みました。
「ひとり日和」 青山七恵・著 河出書房新社
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母親と二人暮らしだった知寿は、母親の海外転勤を機に一人で上京することを決める。
が、母親は一人暮らしには同意せず、遠い親戚の吟子さん(71歳)のもとで暮らすことになる。
祖母と孫くらい年の離れた二人。
けれど、二人とも恋をしたり、人生を憂いたりする女同士。
主体的に生きていくことを見出せない20歳の知寿は、吟子さんとの暮らしの中で、新たな一歩を歩き出していく。
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吟子さんの言葉は、ちょっと厳しくて、あったかくて、ゆるい。
沢山の言葉の中で、
「型からはみ出たところが人間。はみ出たところが本当の自分」
というところが一番ずきっときました。
横並びであるけれど、横並びなんかじゃない。全く。
皆と同じでいたほうがラクだけど、はみ出ていることを自覚した方がラク。
そんなふうに最近思っていたところだったので、この言葉に一番反応したのかも知れません。
この「ひとり日和」は136回芥川賞受賞作品です。
最近の芥川賞作品はピンとくるものがなかっただけに、この本は私にとって大ヒット作品でした。
Trackback(0) Comments(2) by つき|2008-05-19 12:12
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